春の足音

 全国的に寒い日が続きます。なれぬ雪道、転倒にはご注意ください。凍った道の歩き方というのがあるそうです。
 厳しい寒さが続く中にも春の足音が近づいてきました。そうです春の研修会のお知らせが掲示板に載りました。ポスターセッションが企画されているようです。
 昔話でいささか恐縮ですが、ポスターセッションにも歴史があります。初めて学会にポスターが登場したのはいつごろでしょうか。20年くらい前になりますでしょうか。
 カラーのコピー機もプリンターもない時代でした。ポスターを作りたいと医師から頼まれたもののポスターとはどんなものか想像もつきません。ワープロで打ち出したものを拡大コピーを使って字を大きくするのですが、ドット数が今のように細かくありませんでしたし、コピーの性能も良くありませんから、字の周りがガタガタとなったりつぶれたり、それをマジックで1字1字塗りつぶして修正をしました。今から考えると信じられない作業でした。午後の電車で学会に出かけるという医師のポスターができあがらず、病院を出るぎりぎりまで作業を続けたことも懐かしい思い出です。もちろん学会のお土産はゲットしました。
 学会に参加した医師から、台紙にカラーを使い図はカラー写真を掲載し、その下に説明を貼ると見栄えがよいと教えられたのは何年か過ぎてからでした。台紙の色は、目立つように会場のパネルの色も考えて選ぶのだなどと気難しいことを言われて、お気に入りのカラーの厚紙を探すのに文具店に無理をいったりしたものです。
 学会のポスターセッションも進化しました。ポスターは、パワーポイントで簡単に作成できるようになりましたし、カラープリンターもきれいになりました。大判の1枚もので掲示している発表者もいます。
 病院図書室の業務のひとつとして、学会資料のサポートをしているところも多いことでしょう。ポスターを実際に作成したり、学会に参加し、雰囲気に触れることが一番の参考になります。
 春の軽やかな足音にあわせて、会員のポスターセッションへの挑戦を楽しみにしています。
 「春よ来い。早く来い。」なんて、図書室で鼻唄を歌ってはいけませんよね。
                                 (みいちゃん)