2度目の大学生活、2年目に入りました

懇意にしてくださっている病院司書のかたに誘われて、通信制の大学に入学し、1年半がたちました。
病院図書室の仕事は、本当に多くの、しかも専門的な知識を要求されます。
医学や医療、福祉の知識はもとより、統計学に、心理学、教育学に、ICTに、法律も。
初学者にもわかりやすく、体系的に、広範囲にわたって知識を得ることができる大学という機関は、私の欲求を満たしてくれるものでした。


学会の学術集会に学生料金で参加。職場では未導入のため想像の域を出なかった電子ジャーナルや電子書籍を自由に利用。
Moodleを使ったeラーニングを活用。業務でなく自分のための、文献の相互貸借の申し込みなどなど……。
学生の利点と特典を満喫しています。
他の学生も、社会人や定年退職されたかたがほとんどで、顔を合わせての議論も活発で奥深く、
18歳から4年間通った一般的な大学とはまったくちがうおもしろさがあります。


勉強内容は、科目によってやさしいものからきびしいものまでさまざまです。
図書室業務を行うにあたり避けて通れない、著作権を学びたくて取った科目はなかなかむずかしく……。
まだまだ勉強が足りません。
JHLA機関誌「ほすぴたる らいぶらりあん」で連載中の「病院図書館における複写と著作権」では、
弁護士のかたが必要な知識をコンパクトにまとめてくださっていますので、まずはこちらを読んで学習しているところです。
「ほすぴ」に限らず業務でも、思わぬところで大学の学びとつながることがあり、おどろきます。
レファレンスで役立ったり、逆に図書室の文献が大学の講義の理解の助けになったりしています。


医療について学んでいても、もともとの出身である人文学系が大好きですし、ICTの情報を追いかけていても、古いものやアナログなものにひかれます。
理系と文系、デジタルとアナログ、新しいものと古いものを自分の中で融合させて、それを何かに、誰かに役立てることができないものか……という気持ちが、自分のテーマとして心に根を下ろしつつあります。
その具体的なきっかけのひとつは、昨年11月のJHLA研修会での講演「性にかかわる問題と医療」でした。
( 内容は「ほすぴ」37巻1号をご参照ください)

「病院の図書室で働く皆さんには、医療という理系的なものと患者さんの心という文系的なものとの架け橋になってほしい」という旨を先生はおっしゃっていたと記憶しています。
「自分は理系社会の中では落ちこぼれだけど、文系的なものを求めている人もいるのだ」と勇気づけられ、「自分に何かできないだろうか」と考えるようになりました。答えはまだ出ていませんが、大学での学びや、この仕事で得たJHLAの会員の皆様をはじめとするたくさんの出会いを通じて探していきたいと思っています。


常にアンテナをはりめぐらせておくべく、機会があればあちらこちらに出没するつもりでいますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(たこ)