電車のなかで

新幹線で帰宅途中のこと。
減速をしはじめたので、もう 次の停車駅かなっと思いましたが、
そのまま、すーっと止まってしまいました。
私の乗った車両はのどかな畑が続く川の上。


こんな風に、途中で止まるのは、
3.11の次の年、局地地震での緊急停止を経験して以来です。
ぎくっと思わず身構えましたが、あの時と違って、停電していないし・・・・。


やがて、
車掌を緊急呼び出しするアナウンスが早口できっぱりとありました。
車内のにぎやかな話声もやみ、車内は妙な静寂・・・・。
しばらくすると、
乗客に急病者がでたので緊急停止したとの追加アナウンスがありました。


と、私の隣席の方が後ろの席に座っている連れの方と
「どうする?何号車っていってたっけ。・・・・」と落ち着かなく
おっしゃっていることに気がつきました。
思わずその方を見たときに、膝の上に広げられたパワポ資料が目に入りました。
「感染対策、 院内安全、 ICT活動・・・」
あ、Nurseの方なんだ。
そうか、医療者の方はこういうとき、黙っていられないのだろうな・・・。
どうするのかな、どうなるのかな・・・・。
しかし、間もなく、新幹線は動き出しました。


次の駅ではいつもより少し長く停車していましたが、
無事、救急搬送をすることができたという車内放送とともに、「定刻より5分遅れ」で発車しました。
隣の方も何事もなかったように、広げた資料を読み始めていました。


ふっと、
私が専門職として、黙っていられないことって何だろう・・・・。
とおもいました。
 休日に出かける公共図書館で、
  順番が乱れている図書・雑誌を並べ変えちゃうこと?
  間違ったところに戻されている図書を正しい配架にしちゃうこと?
  外にでてしまっている糸しおりを表紙裏に入れ込むこと?
 ・・・・それって専門職?
ああ、しょうもないな〜。わたし。


今回のこと、医療者の専門職意識もさることながら、
車内アナウンスを担当した車掌さんの落ち着いて、きっぱりとした声。
他の乗客の余計な動揺を与えない話ぶりにも、感じるところがありました。


by 各駅停車特急乗客