患者図書室の風景

はじめまして、新潟市民病院の三富と申します。
今日は、私が勤務する病院の患者図書室の様子をお伝えいたします。


当院の患者図書室は、病院移転に伴い、2007年11月に開設されました。
学校の教室をひとまわり小さくしたくらいのスペースに、書架、4人用丸テーブル1つ、キャレル2つ、予備の椅子2脚、インターネット専用パソコンなどを配置したこぢんまりした図書室です。
蔵書の主軸は医学医療図書・DVDですが、利用者から一般書の配架を希望する声も多かったため、絵本・小説なども少し置いています。


医学医療図書の選書にあたっては、JHLAの「患者図書室参考図書リスト*」を大いに活用させていただきました。
毎年少しずつ蔵書を増やし、2011年2月現在、一般書を除いて図書568冊、DVD103点をそろえています。
一日の利用者は平均9名ほど、多い日は15名くらいのご利用があります。


病気や健康、料理、栄養に関する情報を熱心に調べる人たちの他、ちょうどいい気晴らしとのことで、うれしそうに一般書を借りていく人もいます。

意外に多いのが子どもの利用者です。
向かいがリハビリ室なのですが、その帰りがけ、保護者に伴われた小児病棟の患者さんが、ちょっと患者図書室に寄って、折り紙をしたり絵本を見たりして楽しそうに過している姿が見られることがあります。
お見舞いに来たという小学生が、処置を待つあいだ居させてください、と言って、学校の宿題をしていたこともありました。

病気についての知識を身につける場所、という役割の他、患者さんやご家族の居場所、気晴らしの場としても、患者図書室は活用されています。


その患者図書室を支える大きな力となってくれているのが、ボランティアの存在です。
月曜から金曜の開室時間、午前と午後の2交替でボランティア1名が在室し、患者さんのサポートや貸出返却の手続き、掲示物作成、図書の受入作業と、幅広くお手伝いしてくれています。
室内に飾るプリザーブドフラワーや、折り紙で作った小物、クリスマスの時期にはツリーのオーナメントなども持ち寄ってくださり、来室した患者さんに喜ばれています。


患者図書室のより良い発展のため、JHLA患者医療図書サービス支援事業に学ばせていただければと期待しています。


*患者図書室参考図書リストは会員のみ閲覧可能です